No Room for Squares!

街と猫と追憶を撮る

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

造花の真実

造花をモノクロで撮る。シンプルなのか複雑なのか、よく分からないところが良い。絵画の写真を撮る、または写真を絵画にするみたいな。表現的に問題があれば撤回するが、普段は女性として暮らす男性が、男装をしているような。物事の基本的な立ち位置が分か…

M型ライカで接写をしてみた

下段はライカの50mmレンズの最短撮影距離で撮った。距離にして約70cmである。比較対象がないので分かり難いと思うが、あまり寄ることができないし、アップで撮ることも難しい。レンジファインダーというのはそういうものだ。iPhoneあたりで撮れば、いとも簡…

岩手コンプリート達成! 感無量。全58市町村の記録

岩手県には現在33の市町村がある。これが平成の大合併前には58の市町村が存在した。その全58市町村(旧市町村単位)の町並みを撮影し、岩手コンプリートを達成した。これで山形県44市町村、秋田県69市町村に次いで3県目の達成となる。3県で合計…

私的な岩手考察(終)〜限りのない再生へ

<キーワード⑤:三陸>岩手を語る時、そして岩手を歩く時、三陸を避けて通ることは不可能だ。東日本大震災が発生した時、僕は東北に移住して既に数年が経過していた。三陸方面の町でいえば、殆どの大きな町には行ったことがあった。だがその周辺については、…

私的な岩手考察④〜街道浪漫

<キーワード④:街道>岩手の内陸部から太平洋側に向かって、東西に幾つもの街道が伸びている。大きく分けると、①久慈ルート、②岩泉ルート、③宮古ルート、④釜石ルート、⑤大船渡ルート、⑥気仙沼ルートである。更に、それぞれを南北に繋ぐ串のような街道が複雑…

スーパー猫の日を無視できない〜20年越しの猫たち

2022年2月22日。この語呂を超えるには、2222年2月22日を待つしかない。とりあえず2月22日ということで、にゃん、にゃん、にゃんの3連弾とした。初代ボス猫シャー(雌)、初代長男チビ、そして銀次郎。すべて撮影年はランダム。失くなった…

私的な岩手考察③〜続・遠野物語

<キーワード③:遠野>過去写真から遠野をピックアップした。岩手県の遠野市は、概念としての古き良き東北が残る地だ。もっといえば、概念としての古き良き日本が残る地でもある。それは古い建物とか、レトロな雰囲気とか、そういう泡沫のことではない。精神…

私的な岩手考察②〜定宿・鉛温泉あればこそ

※「白猿の湯」は撮影禁止のため、鉛温泉公式HPから画像を拝借しました。僕が撮影したものではなく、著作権は鉛温泉にあります。<キーワード②:鉛温泉>岩手県は広大だ。秋田県から遠征し全ての町を訪問するには、日帰りだけでは無理だ。必ずどこかで宿泊を…

私的な岩手考察①〜水沢の町が果たした役割

<キーワード①:水沢>昨年来、「岩手県の全ての市町村で写真を撮る」ことに精力を傾けてきた。近々、そんな大げさではないが、何らかの発表をする予定でもある。今週は趣向を変えて、僕にとっての「岩手県で写真を撮ること」の意味について考えてみようと思…

にっちもさっちもどうにも三陸(終)〜嗚呼、美しい町

クルマ移動なので、モノクロ用セットのライカと、カラー用セットの富士X-PROのを両方を持参した。どちらを使うかは、その町に着いた瞬間瞬間に決めた。それはすなわち、モノクロで撮るか、カラーで撮るかを意味する。退路はないが、どちらかを決めるだけの確…

冬の造花は鮮やかだから良いとは限らない

雪国の秋田県、冬の間は「花」を目にしない。僕が生まれ育った西伊豆では、既に「土肥桜」が満開を迎えているという。何という違い。この冬の時期、町を歩くと普段は眼に入らない造花に気づくことが多い。商店や美容院などのガラス窓に飾られている。冬だか…

にっちもさっちもどうにも三陸④~石巻を歩くと境港を思い出す

石巻は何度か来ている町である。沿岸部だけでなく、内陸部にも町が点在しているなど見どころも多い。今回は沿岸部の中心地を歩いた。近隣の登米市(旧・中田町石森)出身の漫画家、石ノ森章太郎のキャラクターが町中にディスプレイされている。仮面ライダー…

にっちもさっちもどうにも三陸③〜ここは本吉町、至福の刻

宮城県の旧・本吉町。気仙沼の南側に位置する町で、平成の大合併で気仙沼市と合併している。宮城県の旧市町村というのは正直、殆ど把握していない。今回は気仙沼から、宿泊地の南三陸町に移動する際に立ち寄った。本吉の海岸部は東日本大震災の津波で甚大な…

にっちもさっちもどうにも三陸②~56番目町、驚異の看板3連弾

今回の三陸入りは、気仙沼ルートを取った。気仙沼に至る街道は岩手県に通っており、最終到達地点の気仙沼市だけが「取ってつけたように」宮城県なのである。その話は色々な方がしているので割愛する。このように行政の区割りと、生活圏の区割りが異なるケー…

にっちもさっちもどうにも三陸①〜再び朝日、四变化

岩手コンプリート(旧市町村単位で59市町村すべての町並写真を撮る)のため、せっせと岩手三陸方面に通っている。昨年の11月に岩手県最北部の旧・種市町から久慈市までの範囲を訪問した。今年に入って2月の第一週に野田村から大槌町までを訪問した。特…

もう一つの宮守は神秘の町

旧・宮守村の達曽部地区。現在では遠野市となっている。宮守とは「神社を守る人」という意味で、それだけでロマン溢れる名前である。加えて「達曽部」という地区名。単なる集落とは思えない。なにかの秘密を守り続ける集落ではないかとすら思える。宮守自体…

余談だが、久保田の萬壽を呑んだ

お正月に備えて、幾つか良い酒を用意していた。今年の正月酒には、「〆張鶴 大吟醸銀」を選んだ。正月だからといって、日本酒ばかり呑んだわけでもない。ビールも飲んだし、ワインやシャンパンも飲んだし、スコッチウイスキーも飲んだ。結果的に、日本酒が結…

三陸線を南下せよ(終)~旅の食事を振り返る

三陸南下の旅は、田野畑村を出たあと、旧・田老町、山田町、大槌町まで続いていく。間に宮古市(既に何度か訪問済み)にも立ち寄った。それぞれで町並みの写真も撮った。もしかしたら番外編で後日載せるかもしれないが、ここでの掲載は止めようと思う。これ…

三陸線を南下せよ④〜田野畑村で思案に耽る

番外の旧・新里村を皮切りに、野田村、普代村、そして田野畑村まで来た。岩手コンプリートは順調に進んでいる。でも本当に進んでいるのだろうか。例えば、同じ岩手県でも旧・水沢市や遠野市、花巻市なんかには、それこそ何度も何度も繰り返し訪れている。そ…

三陸線を南下せよ③〜普代村の日常

町や人の暮らしには様々な側面がある。例えば、魚市場に行ったとしよう。そこで昼食を食べるのであれば、僕らは当然「魚」を食べたい。でも市場で毎日魚を扱う人は、昼くらいは「肉」を食べたいと思ったりする。必然的に肉とかカレーとかラーメンの店が多く…

三陸線を南下せよ②~野田村なのだ

今回のミッションは便宜上、次の通りとした。野田村(久慈市のすぐ下)をスタート地点として、南下しながら町を巡る。行けるところまで行く(最終地点は大槌町となった)。実際には、野田村に行く前に幾つかの町(村)に先に立ち寄ったりおり、北から順番に…

三陸線を南下せよ①〜始まりの村

東北コンプリートというテーマをライフワークとしている。いわゆる「平成の大合併」以前の旧市町村単位で、全ての市町村の町並写真を撮るというものだ。すでに山形、秋田の2県では達成し、岩手県も佳境に入っている。今回は久慈市の南隣りにある「野田村」…

海に抱かれて漢なら〜といきたいものだ

写真自体は、建物と展望台からパシャっと撮っただけで、撮影意図はない。連日の除雪作業と、諸々の雑事から逃れるために三陸方面に逃亡していた。嗚呼、我が太平洋。青い空と鮮やかな朝日。もっとも僕が生まれ育ったのは、太平洋といっても内海の駿河湾。朝…

雪を切り裂く青い相棒

僕の青い愛車を紹介する。ヤマハYT1070。10馬力エンジンを搭載した頼れる相棒だ。本当はもっと大きいタイプが欲しかったが、この辺りが現実的なラインだ。除雪幅は70cmである。敷地と排雪場所の関係で、除雪機がないと我が家の除雪は成り立たない。ち…

雪のかっぱ小路に猫はいなかった

大雪の秋田川反。夜に飲みにいくことは時節柄できないので、昼間の様子を見にいった。顔見知りの猫の様子も気になっていた。小路ゆえ、機械除雪などできないので、雪が凄いことになっていた。猫小屋は無事だったが、肝心の猫の姿は見えなかった。昼間は別の…

謎の象形文字の正体

お昼に家に戻ると、玄関前の雪溜まりに謎の象形文字を発見した。スタンプで押したかのようなキレイな造形だった。家の裏庭に先日現れたキジの足跡に違いない。噂によれば、野生のキジなのに人に慣れているのか、玄関まで入ってくることがあるという。家の玄…

矢島町〜最後の最後で名誉回復した町

秋田県の旧・矢島町(由利本荘市)。鉄道駅があり、一定規模の町並みを持ちながら、全国標準的な店舗は殆どない稀有な町並みである。国道添いにはコンビニ(ローソン)やドラッグストアなどもあるが、町の中心部には古くからの個人商店以外は存在しない。矢…

闇に漂うようにクラゲを撮りたい(終)~災い転じて福となす

さて、山形県鶴岡市の加茂水族館編の最終回。一応振り返ると、この水族館は元々は地方のマイナー水族館だった。あまり客は入らず倒産寸前だったという。なかばヤケクソで始めたクラゲの展示が大人気となり、今ではその分野ではトップの水族館となった。モダ…