



GWに秋田県まで観光に来る方も多いと思う。僕が観光客であれば、比内地鶏の親子丼は必ず食べると思う。例えば秋田市内だけでも、多くの飲食店で比内地鶏の親子丼を食べることが出来る。貴方は其処彼処で、「究極の親子丼」と書いたメニューなり幟を見かけるだろう。どこで食べたって親子丼だから旨くないってことはないだろう。でも乱立する究極の親子丼の中には、そりゃないよという物が多いことは覚えていた方が良い。比内地鶏関連のものは、多少高くても食べる人が多いので、雑な取り扱いが多くなっている。
かつてこんなことがあった。秋田に引っ越してきた僕は、やはり比内地鶏の親子丼に憧れがあった。それをJR秋田駅すぐ近くの某店で食べた。結構有名な店の支店らしき店だ(これが実は怪しい。名義貸し?)。1500円以上の「究極の親子丼」を食べたけど、普通の味だった。これは好みの問題もあるので良い。問題なのは出てきた味噌汁、多分業務用のインスタント味噌汁だだ。味噌の染み込んだ具材(海苔だったかワカメ)にだし汁をかけるやつで、格安ランチ店でよく出てくるものだ。それが、具材を殆ど入れていないので、全く味がしない。本当に全く味がしないのだ。店員に確認を求めると、作り直してきたけれど、「うちは、こういう味でやっています!作り直しましたが、これ以上は対応できません!」と何故か切れている。こういう味って、業務用ではないか。1500円以上する「比内地鶏の究極の親子丼」。味噌汁くらい自前で作れよ、まずは言いたい。そこは譲って、それが業務用で良しとしても、きちんと分量を入れなきゃ。いつも行列ができていたその店は、今では空いている。それでもGWには「観光客ホイホイ」と化して、比内地鶏の親子丼の間違ったイメージを拡散させるのだろう。
さて、写真はそんな紛い物とは異なる本物の「究極の比内地鶏親子丼」。これが問題の店のものより若干安いのである。焦げ目の付いた大きな肉は濃厚で、香ばしくて、本当に旨い。これまた濃厚な比内地鶏の半熟卵もトッピングされている。お茶のように見えるのは、鶏の出し汁だ。これまで食べた親子丼のなかでトップクラスの旨さである。出来ることであれば、こういう店で食べて欲しい。