
この週末、関東以西では「春のぽかぽか陽気」であり、多くの地点では気温15℃を超えたという。僕の故郷の静岡県では20℃にもなったそうだ。写真は同じ日の秋田県能代市の町並みである。とても同じ日本とは思えない。色彩を失った陰鬱な町に、大粒のぼたん雪が降り落ちていた。モノクロで撮ったが、これをカラーにしたところで誤差の範囲にしかならない。一応、能代市中心部にある最大の繁華街なのに、人の姿は少なく、車の往来もほとんどなかった。
別に愚痴を言いたいわけではない。繁華街の道路のど真ん中に立って撮影できる町なんて、都会にはまずないだろう。考えようによっては贅沢な話だ。見渡す限りで見える人影は一つか二つだけ。殆どの時間帯では、その人影を探すことすら困難だろう。寂しくないといえば嘘になる。心の奥底からはふつふつと何ともいえない気持ちが湧き上がる。それは滅多に味わえる情感ではない。こんな光景を見たあとは、少しだけ優しい気持ちになる。
X-T5 / XF23mm F1.4R LM WR