







秋田県由利本荘市にある「コーヒーショップ・ロリンズ」である。広義な意味ではジャズ喫茶に含まれるが、基本的には喫茶店と考えて良いだろう。店には珈琲の焙煎機も設置されており、実に旨い珈琲を飲むことができる。どれくらい旨いかといえば、思わず「コーヒールンバ」を歌いたくなるほど旨い。痺れるような香りの琥珀色の飲み物。まさにそんな珈琲である。この店の最大のこだわりだと思う。店主は地元出身で、東京で会社員生活をし、定年を迎えたそうだ。そしてUターンして2021年に店をオープンした。店舗は廃業した皮膚科クリニックの建物を居抜きで改修したものだ。多分、かつての待合室が喫茶ルーム、受付ステーションが厨房、診察室がリスニングルームになっている。その痕跡が見えて、ある意味楽しい。
次なるこだわりはオーディオである。プレーヤー系は至って正統的であるが、アンプは自作も含めユニークな構成となっている。メインのパワーアンプは、金田式のDCアンプだと書いてあった。フォノアンプ(イコライザー)系も凝った構成である。DBXのイコライザーを挟んでいる。アナログレコードも一度デジタルに変換され、それからイコライジングされる仕組みだと思う。もちろん良い音で鳴ってはいる。でもここは忖度なしで正直に書く。オーディオは不思議な世界で、凝りに凝ったシステムよりも、シンプルな構成で一発ドン!の方が鮮度が高いことが多い。様々な調味料で味を整えるよりも、塩胡椒だけの方が旨いことがあるのと一緒である。デジタルはともかく、アナログはなあ… そんなことを考えながら聴いていると、ビル・エヴァンスの「Explorations」が流れた。失礼!良い音でした。ソースを選ぶのかな。
いずれにしても秋田県でこういう店は貴重である。前述の通り、店内はリスニングルームと喫茶ルームがはっきりと分かれている。リスニングルームでは音楽に没頭することができる。座り心地の良いソファに加え、読書に最適にデスクライトまで設置されている。なかなか贅沢な席である。今回は珈琲(ブラジル)500円+おかわり珈琲350円+クッキー150円、で丁度千円の会計だった。安すぎると思った。もう少し高くしても良いのではないか(笑)。今回は手ぶらで来てしまったので、次は本を持って訪れたい。ここで読むなら鬼平犯科帳だな。
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